業界トレンド

継続的ローカリゼーションに移行すべきか

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継続的ローカリゼーションに移行すべきか

継続的ローカリゼーションは、ローカリゼーションと開発のギャップを埋めます。ローカリゼーションプロセスをアジャイル開発に取り入れることで、新しい機能がリリースされるごとに同時にローカライズされた製品を提供できるようになります。

しかし、製品をローカライズしている企業を調査したところ、ほとんどの企業ではアジャイル開発のペースに合った最新のローカリゼーションプロセスやテクノロジーが導入されていないことがすぐにわかりました。このような状況では、一貫したシステムとアプローチが採用されていないため、ローカリゼーションが追加プロセスとして扱われてしまうという大きな課題が生じます。

ローカリゼーションと開発のギャップは何十年も前から指摘されてきました。継続的ローカリゼーションはその解決策として登場したプロセスですが、それには独特の課題も伴い、企業に変化が求められます。しかし適切なツールとプロセスを使用すれば、大きな成果をもたらすことができます。

継続的ローカリゼーションとは

継続的ローカリゼーションはグローバルコンテンツに対する新たなアプローチで、企業がソフトウェアを顧客に提供するうえで頻繁に使用されている CI/CD メソドに取り入れることができます。主なコンセプトは、継続的な統合により、継続的に翻訳を提供することです。

ローカリゼーションのワークフローを 5 つの主なステップで構成されたサイクルとして考えると、継続的ローカリゼーションがわかりやすくなるかもしれません。

1. 開発者が翻訳キーを作成し、コードを GitHub などの (TMS と接続された) レポジトリに保存します。

2. ローカリゼーションキーがプロジェクトマネージャーに送られます。

3. マネージャーがプロジェクトの規模を定義し、事前翻訳を行い、翻訳を行うリンギストにタスクを割り当てます。

4. QA チームにより翻訳の審査と検証が行われます。

5. 開発者によって翻訳済みのキーがレポジトリに戻され、ローカライズされたアセットを継続的に開発するための半自動フローが完了します。

継続的ローカリゼーションの導入により、コードの作成 (i18n)、ローカリゼーションファイルの扱い、翻訳の QA が効率化されます。このソリューションは開発にスムーズに取り入れることができ、的確な対応につながる明確なエラー管理とコラボレーションを実現します。

継続的ローカリゼーションのビジネスバリュー

適切に導入すると、継続的ローカリゼーションはほぼ確実にチームの生産性の向上、より多くのコラボレーション、市場投入時間の短縮、従来のアプローチよりも低いリスクなどといったメリットをもたらします。

市場投入時間の短縮: 多言語開発と同時リリース

継続的ローカリゼーションを導入すると、一つの市場で製品をローンチした後で新たな市場に向けて個々に翻訳を行うのではなく、開発と同時にローカリゼーションが行えます。つまり、製品が各スプリントで並行してローカライズされていきます。

ローカリゼーションを開発に取り入れることで、複数言語にローカライズされた製品を開発し、いくつもの市場で同時にローンチできます。言い換えれば、ローカライズされたコンテンツをいつでもリリースできる体制が整います。そのメリットは明白です。ターンアラウンド時間が短縮されることで、ローカライズされた製品をより迅速に市場に投入でき、一貫性も高まるため、投資回収率も上がります。

開発者と製品マネージャーの負担の軽減

ローカリゼーションをソフトウェアの継続的な提供に完全に取り入れることで、エンジニアが一度セットアップするだけでプロセスが自動的に行われるようになります。これにより、ローカリゼーション担当者はデジタルアセットの継続的な展開に伴うローカリゼーションサイクルに専念できるようになります。

たとえば、問題点のスクリーンショットを含むバグレポートが作成されると、開発者は作業を止め、その問題を特定し、修正した後で、再びテストを行わなければなりません。最新のスプリントのファイルに手が加えられ、少量のテキストのみにローカリゼーションの変更が必要となった場合、必然的にコストがかかります。ローカリゼーションに直接関連した費用ではないものの、コストがかかることに変わりはありません。

これによりヒューマンエラーのリスクも高まり、シンプルなタスクから大掛かりな作業になる可能性も高くなります。

開発レベルでのローカリゼーションの欠陥の低減

開発の早い段階からローカリゼーションを取り入れることで、チームがすべてのターゲット言語でデザインが正常に機能するか、迅速かつ容易に確認できるようになります。開発レベルでローカリゼーションの欠陥を減らすことで、多言語インターフェースにおける顧客による誤解、誤った情報の伝達、不満などを避けることができます。

顧客のユーザーエクスペリエンスの低下に加え、企業ではローカリゼーション関連のバグ修正に年間 $50,000 以上費やされることもあります。開発段階で問題の修正を行うことで、テスト中またはローカリゼーション後に修正を行うよりもはるかにコストを抑えることができます。開発段階でのバグの解決は、リリース後に調整を加えるよりも 10 倍コスト効果が高いのが事実です。

ユースケースの例: フィンテック企業がローカライズされたコンテンツを継続的に更新しなければならない理由

市場シェアの拡大でローカリゼーションが重要な役割を担う中、上位 10 位のフィンテックアプリのうちの 9 つが多言語で利用可能なのは当然のことです。しかし、これらの企業はなぜこれほどまで頻繁にローカリゼーションの更新が必要なのでしょうか?一度コンテンツを作成し、翻訳し、提供するだけでは不十分なのでしょうか?

単刀直入に言って、競争力とコンプライアンスを維持するにはそれでは不十分です。

競争上の優位性

フィンテックにおいて、慎重なローカリゼーションは他のテクノロジーベースの業界よりも重要であると言えます。正確なコンテンツに容易にアクセスできることは、潜在顧客の信頼を得るうえで鍵となります。しかし、このように激的なペースで発展し続けている業界では状況が常に変化しているため、頻繁な更新が必要となります。

また、迅速なスケールアップを図っている革新的なフィンテック企業には、製品 UI、サポート、マーケティング素材をローカライズし、新たな市場で短期間で事業を立ち上げる能力も求められています。新規参入フィンテック企業の Revolut 社では、継続的ローカリゼーションのワークフローを導入することで、Apple 社によるアプリの審査よりも短い期間で新しい言語のロールアウトが可能になりました。

規制変更への対応やコンテンツの更新による進化

翻訳はローカリゼーションプロセスのほんの一部にすぎませんが、規制の厳しい環境で運営するフィンテック企業にとって重要な要素です。常に変化し続ける複数法域で運営しているならなおさらです。世界中でフィンテックの認可システムが異なるため、フィンテック企業はローカライズされたコンテンツをスケーラブルかつフレキシブルに更新、導入、維持し続けなければなりません。

また、為替レートが変動するため常に更新し続けなければならないのもフィンテック企業の課題の一つです。コンテンツが定期的に更新されるシステムが導入されていなければ、変化し続けるコンテンツの管理に多大な労力が必要となります。

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継続的ローカリゼーションの基礎作り

ほとんどの企業では、将来的な継続的ローカリゼーションへの移行を容易にするために必要なステップが省かれています。移行をスムーズに行えるようにするための基礎について見てみましょう。

クオリティの高い l10n エンジニアリングによる取り組みの強化

継続的ローカリゼーションは、まずインターナショナライズされたソースコードを作成することから始まります。基本的な技術的要件が満たされていなければ、どんなに優れたテクノロジーでも単なるシェルフウェアにすぎません。

開発とローカリゼーションの摩擦の排除

ローカリゼーションプロセスの調整には、変更管理が重要となります。意外にも、企業ではいまだにリソースファイルのやり取り、集積、ビルドへの導入などが、エンジニアにより手作業で行われています。

ファイルの受け取り、確認、導入の方法を標準化 (集中化) することがルーチン業務を自動化するための第一歩となり、これなしではプロジェクトの拡大に支障をきたす無駄な摩擦が生じます。

各部署を連携させローカリゼーションをワークフローに取り入れるためのテクノロジーの導入

Blizzard Entertainment 社のシニアローカリゼーションプロジェクトマネージャー、Silvia Mapelli 氏は、次のように語っています。ローカリゼーションプロジェクトマネージャーは数々の課題を抱えていますが、テクノロジーによりその中でも最も大きな課題を解決することができます。

プロプライエタリの CAT ツールやファイナンシャルツール、コミュニケーションツール、レポジトリツール、QA ツールなど、ばらばらのツールが企業のローカリゼーションに使用されているケースが非常に多く見られます。

継続的ローカリゼーションを成功させるには、翻訳キーのデータベースとなり、効率的なチーム間のコラボレーションに必要な機能をすべて備えたローカリゼーションソフトウェアが必要です。それにより、社内の各部署とベンダーが連携を取りながら、同時に協力してプロジェクトに取り組めるようになります。

継続的ローカリゼーションのビジネスケース作り

継続的ローカリゼーションは、アプリやウェブサイト、コンテンツのローカライズされたアップデートを頻繁にリリースする企業にとって、最も効率的なプロセスです。しかし、ローカリゼーションの重要性がチームに伝わっていなければ、継続的ローカリゼーションへの移行は困難をきたします。

認識を高めるためには、ローカリゼーションによりもたらされる優れた成果を強調する必要があります。重要なのはプロセスではなく、新規ユーザー、高い能力を備えたソリューション、企業の成長といったストーリーに着目しましょう。


顧客対応チームや顧客からのサポートや意見を求めることも重要です。ローカリゼーションの重要性や、それによってもたらされるメリットを関係者に伝えます。組織による国際的な取り組みが拡大する中で、プログラムを未来に備えるうえでの重要性をアピールしましょう。

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